葬祭プランナーのホッと一息
何もしなくても、心に残る葬儀
先日ふと思い出した、特に心に残っている葬儀をご紹介させてください。
お父さんご本人から、ガンの手術するのでその前に色々と決めておきたいと相談を受けました。
事前相談には奥様とお子様3人を連れてお見えになりました。家では自分の気持ちを冷静に伝えられないという事でした。
“家族だけで静かに送ってほしい。形式的なことはしなくていい。”
好きな音楽をかけて、皆で食事でもして送り出してくれれば本望と言うお父さん。
しかし、それを聞いていたお子さんたちは少々納得がいかない様子。
親戚はどうするの?ご近所はどうするの?亡くなる人はいいかもしれないが、何か言われるのは僕たちなんだよ・・・と。
ごく自然な感情だと思います。しばらく、お互いに意見を言い合ってもらいました。
やはり家族ですね。最後には、お父さんの気持ちを最優先させようという事で話がまとまってきました。
親戚関係にはお父さんが自分で「家族だけで葬儀をする」と伝える事に。
落ち着いたところで、葬儀の内容を事細かにきめ、見積金額を提示いたしました。
それから、約3週間後、あっけなく逝ってしまいました。
約束した通りに粛々と事がすすみ、静かで温かなお見送ができました。
後日、奥様からは丁寧な礼状をいただき、こちらのほうが恐縮してしまいました。
「葬儀に関して本人の意思が把握できていたことが私を落ち着かせてくれました。判断に迷いなく家族みんなで協力し、送り出せたことに満足しています。お力添えをいただき感謝の念でいっぱいです。」
事前に親戚関係の根回しが出来たのでスムーズに家族葬ができたのだと思います。
事前相談の必要性を特に感じた一例でした。